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2−07. DVDシングル「誰かの願いが叶うころ」
2−08. DVD「ヒカルの5」
2004年7月28日(水)発売になったDVDシングル「誰かの願いが叶うころ」は、
初動枚数1万3190枚(2004/8/9付)、累計で約2万枚を売り上げています。
同日発売のDVD「ヒカルの5」は初動枚数6万3246枚、累計は約12万枚です。
さて、これまではCDシングル、CDアルバムについての売上推移を見てきました。
では、DVDの売上推移曲線とは、どんなものになるのでしょう。
実は、DVDの売上推移曲線も、i_公式でとてもよく近似できるのです。
まずは、(少々順序を違(たが)えて)DVD「ヒカルの5」の数値表とグラフをご覧ください。
こちらが数値表、
こちらが実数軸グラフ、
こちらが対数軸グラフです。
μ=0.124とありますが、この曲線は、i_公式のAの方、
CDアルバム売上推移を近似する式の方なのです。
即ち、DVD「ヒカルの5」は、枚数こそ桁が違えど、
3rdアルバム「DEEP RIVER」及び
シングル・コレクションと同じカタチの売上曲線を描いているのです。
そして、減衰係数μの値も、
「DEEP RIVER」がμ=0.126、シングル・コレクションがμ=0.109と、
結構に近い値であることから、
DVDとCDアルバムは、初動枚数が違う=市場の大きさが違う、というだけで、
購買者群は、ほぼ同じ意識で購入を決めていることが伺えます。
では、同じくDVDではありますが、「誰かの願いが叶うころ」は、どうでしょうか?
『2時間以上のコンサートを収録した「ヒカルの5」は、2枚組CDみたいなものだろう。
つまり、買う方はCDアルバムを買うのと同じ感覚だ。だからAで表される売上曲線になった。
それなら、DVDとはいえ、1曲だけが入ってるだけの「誰かの願いが叶うころ」は、
買う方からすると“シングル”扱いだろう。だから、今度は@の曲線が近似に使われるはずだ。」
、、、最初僕はそんな風に考えました。しかし、実際はそうじゃなかった。
DVDシングル「誰かの願いが叶うころ」の売上曲線は、
CDシングルの@ではなく、CDアルバムと同じAによって正確に表現されるのです。
百聞は一見に如かず。見てみましょう。
こちらが数値表、
こちらが実数軸グラフ、
こちらが対数軸グラフです。
・・・ご覧になりましたか? 1週目〜4週目、というたった4週間の間だけではありますが、
(今までのデータの中でも抜群といえる)驚くべき精度で売上曲線が再現されています。
流石に僕も、これを見たときは笑いました。(^_^;
つまり、購買者にとって「DVDシングル」という商品は、
CDシングルよりCDアルバムに近い意識で買う商品だということになるでしょう。
恐らく、CDシングルは「そのときの流行りもの」として買う層が多い一方、
まだまだDVDシングルは「買ってコレクションしておく」ものとして買う意識が高い、
ということなのではないでしょうか。
ところで。実は理屈でいえば
・0週目で初動枚数Aの値
・0週目と1週目のデータから減衰係数μの値
・・・がそれぞれ求められるのです。(Aを定めμが推測できる、ということ)
ですから、
もしこの1週目(8/16付)の枚数が発表された当時にこの公式を知っていれば、
「再来週の売上枚数は812枚だ。(どーん)」
と断言することができていたわけです。実際に言ってれば、面白かったでしょうねぇ。(笑)
なにしろ、実際の2週間後の売上枚数は808枚なんですから。(笑)
(数値表を参照のこと)
つまり誤差4枚で2週間後の売上枚数を予言できたわけです。
きっとまわりからは、悪魔か魔法使いかと、思われていたことでしょう!(≧∇≦)
(でもまぁ、これだけたくさんのデータを扱っていれば、
偶然それくらいの精度の予言ができることがあったとしても、
なんら不思議ではありませんデス。念の為。)
最後に、減衰係数μについてひとこと。
このDVDシングル「誰かの願いが叶うころ」の売上曲線はi_公式のAの方を使って描かれています。
しかし、μの値はμ=0.200と、アルバム2枚や「ヒカルの5」に比べて、随分と大きくなっています。
理由は、さっぱりわかりませんすいません。(^_^;
しかし、この作品の売上曲線が@ではうまく近似できないことだけは、いえます。
(検証は省略しますね。ややこしいので。)
・・・さて。
長かった宇多田ヒカル各作品売上枚数曲線検証虱潰し大作戦(なんだそれ)も
漸くこれで終わりです。
長々とココまでありがとうございました。m(_ _)m
読者のみなさま、どうもお疲れ様でした〜〜っ!!(^∇^)
・・・おっとっと。
そうそう、UtaDAの作品がまだありましたね。失礼。(汗)
でも、今そのことをわざとらしく忘れたフリしてトンズラぶっこいてやろうと思ったのは、
他でもない、今度ばかりはi_公式も役に立たないから、なんです。
だから、あんまり気が進まないんだよね〜〜・・・(=_=;
でも、データはまとめてしまったので、一応やっておきましょうか。
ちな!みに、今回の検証に慣れた方ならお気付きになってたかもしれませんが、
DVD「ヒカルの5」でもDVDシングル「誰かの願いが叶うころでも、
一箇所、i_理論曲線が実売曲線と離れてしまうところが、ありました。
それは、2004/9/20付の部分・・・そう、この日付は、
記念すべきUtaDA1stアルバム「EXODUS」が発売された週の集計日を指しています。
つまり、DVD2枚の発売がシングル・コレクションの売上に影響を及ぼしたのと同様に、
「EXODUS」の発売が、今度はこのDVD2枚の売上に影響を及ぼした、というわけです。
i_理論を助けとすれば、こういう風に、
売上枚数が変化するには必ずといっていいほどその原因があり、
容易にそれが何であるか判明する可能性が高い、
ということが如実にわかるのです。便利なもんだ。< 珍しく自画自賛(笑)
それでは、参りましょう。最後の各論検証です。どうぞ。
※ このページに掲載されたリンク先一覧
※
※ ・ DVDシングル「誰かの願いが叶うころ」売上推移&i_理論値の表
※ ・ DVDシングル「誰かの願いが叶うころ」売上推移&i_理論曲線の実数軸グラフ
※ ・ DVDシングル「誰かの願いが叶うころ」売上推移&i_理論曲線の対数軸グラフ
※ ・ DVD「ヒカルの5」売上推移&i_理論値の表
※ ・ DVD「ヒカルの5」売上推移&i_理論曲線の実数軸グラフ
※ ・ DVD「ヒカルの5」売上推移&i_理論曲線の対数軸グラフ
※ ・ i_公式
※
※ ・ すべてのデータをまとめたエクセル・ファイルはこちらです。
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