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2−09. UtaDA1stアルバム「EXODUS」
2−10. DVDシングル「Easy Breezy」



UtaDAの1stアルバム「EXODUS/エキソドス」は、日本盤が9月8日(水)、米国盤が10月5日(火)に、
それぞれ発売になり、オリコンチャート初動売上枚数は9月20日付で52万3761枚、
これまでに累計で約107万4000枚を売り上げています。(山ちゃんランド・宇多田ヒカルアルバムの頁参照)
一方のDVDシングル「Easy Breezy」は日本盤が10月5日(火)に発売、
初動売上は10/18付で1万0271枚、累計は約1万8000枚です。


前頁でDVD2枚について考察したので、
そのままの流れでまずはDVDシングル「Easy Breezy」のデータを見ましょう。


こちらが数値表、
こちらが実数軸グラフ、
こちらが対数軸グラフになります。


前頁のDVDシングル「誰かの願いが叶うころ」の結果が余りにもよい合致を示したため、
この「Easy Breezy」でのi_理論曲線実売曲線へのフィット具合は、
少々物足りなく感じられますね。
それに、この程度の(理論値が実売データと合致するとは言い切れない程度の)精度では、
正直、ここでi_公式のAを適用することが
妥当かどうかすら疑わしいです。いずれにせよ、
この5週間だけのデータに対しては余りコメントすることもできません。

・・・って、なんか冷たいなヲレ。(汗) でも、ホントこれだけじゃ言えることないんですよね〜(=_=;
ただ、減衰係数μの値はμ=0.148だったとだけ、一応付け加えておきますか。以上。


気を取り直して。(笑)
このページのメインでありますアルバム「EXODUS/エキソドス」のデータを見てみましょう。

こちらが数値表、
こちらが実数軸グラフ、
こちらが対数軸グラフです。


・・・うーん、今までのデータと比較しても最も一致していないですね。

それもそのはず、パラメタ・フィッティングしてみると、
このアルバムの売上曲線はi_公式のA式において、
x の肩に乗ってる数字が「2/3」でなく「4/5」が最適になる曲線だということがわかったのです。
なるほど、これでは、幾らAの公式でμの値を最適化しようとしても、うまくいかないはずです。

(ちな!みにパラメタ・フィッティングのデータは、読む必要はありません。
 せっかくやってみたのでもったいないからUPしておいた、というだけです。
 ですから、非常に見づらいまま放置した状態ですし、何より
 やり方も非常に大雑把なので、あんまり見て欲しくなかったりもします。(苦笑))



とはいえ、では、そのAを改変して、「2/3」を「4/5」にしたら状況が一変して総てうまくいってるのか、
というと、それがそうでもないのです。困ったことに。
「2/3」を「4/5」に変えてみたその実数軸グラフ対数軸グラフを見てみても、
まぁ、確かに2/3のときよりは合っているものの、単なる辻褄合わせ程度にしか見えないのでした。


・・・実は、最初、僕は、
「EXODUS」の売上曲線は、i_公式にある、アルバムの方(A)ではなく、
シングルの方(@)と合致するのではないか、

という予想を立てていたのです。
というのも、この「EXODUS」は同じ人間が作っているとはいえ、飽く迄も洋楽アルバムです。
流通も購買も、国内盤洋楽アルバムとして扱われていたはずです。
ご存知のように、日本では洋楽にはシングルというものが殆ど存在しません。
(2005年9月、BON JOVIが"Have A Nice Day"で洋楽としては久々のTOP10入りが
 結構話題になっていたくらいですから。)

シングルというのが洋楽では盛んでないため、
洋楽ファンラジオで気に入った曲があった場合、
シングルを買うのではなく、アルバムを買うわけです。
だから僕は、逆に、
洋楽ファンは、邦楽ファンがシングルを買うような感覚でアルバムを購入しているのではないか、
と考えた、とそういうわけです。

なので、ダメモトで(・・・というのも、パラメタ・フィッティングで、x の肩の数が1では不適当だと既にわかってたからですが)
一応i_公式の@の方でも対数軸グラフを書いてみました。
当然、ご覧のとおりぜんぜん違う曲線になりました。これは予想通り。

しかし。

この曲線には、ひとつ興味を引く特徴があるのです。
それは、
値そのものの大きさは、2つの曲線で大きくズレてはいるが、
それぞれ部分々々を見てみると、2つの曲線は平行に近い曲線である。

ということです。
少々手抜きではありますが、エクセル君にお願いして、
曲線の各部分々々で、近似直線の1次式を算出してもらいました。(そのグラフがこちら
x の左隣の数字が、それぞれの近似直線の傾きを表しています。
各々対応する上下の式で、
それぞれの傾きが似通っている
のがわかるかと思います。
(とはいえ、一番右の時期は、かなりズレていますが)


ちょっと、12thシングル「COLORS」の対数軸グラフを思い出してみてください。
ここでは、1週目、i_理論曲線に較べて実売曲線の値が非常に小さくなり、
それが以後3週間も続きます。しかし、

1〜4週目のi_理論曲線実売曲線は、
値自体はズレているものの、合い互いに平行に近い曲線になっている


・・・というのが僕の考察でした。
これと同じようなことが、「EXODUS」にもあったのではないでしょうか。

「COLORS」のときは、
i_理論曲線より、実売曲線のとる値の方が小さい値をとっていたことから、
「1週目品切れとちゃうけ?」という疑惑を提案致しました。

今回のグラフは、そのときとは逆に
i_理論曲線より、実売曲線のとる値の方が常にはるかに大きいですよね。
これは、とりもなおさず、それぞれの滑らかな部分曲線同士の間に、
何か売上枚数を底上げするようなことがあったのではないか
と推測されるわけです。

・・・しかし、残念ながら、そのような原因を総て特定することは、できませんでした。
つまり、なぜ売上が「ぼんっ」と跳ね上がっているのか、当時の宇多田ヒカル関連のニュースを
繰ってみても、全然特定できなかったということです。

唯一、10/18付で売上が「ぼんっ」と跳ね上がった理由だけはすぐわかったんですけどね。
それは、この日付のチャートが10/3〜10/10の集計であることからもわかるとおり、この週に、
輸入盤(アメリカ盤)「EXODUS」が発売になったからです。
2003年12月以降(つまり、オリコン年度(笑)2004年度初頭)から、
国内盤だけではなく、輸入盤の枚数もオリコンチャートに反映されるようになっていたのでした。
その影響で、前週より売上が上回るという稀な事態が起こったというわけです。


とはいえ。

結局このUtaDA1stアルバム「EXODUS」の売上曲線をどう解析すればいいか、
現時点では、全くわからずじまいであることには、変わりがありません。(涙)


後味が恐ろしく悪いですが(涙々)、
これにて、UtaDA関連の作品の売上枚数分析を終わります。m(_ _)m

(;´д`)エーーーッ!ソンナオワリカタッテ、、、<自分にブーイング中(苦笑)



最後のページです。まとめとして書いた【3.結論】をお読みくださいませ。m(_ _)m




※  このページに掲載されたリンク先一覧

※  ・ 山ちゃんランド・宇多田ヒカルアルバムの頁
※  ・ DVDシングル「Easy Breezy」売上推移&i_理論値の表
※  ・ DVDシングル「Easy Breezy」売上推移&i_理論曲線の実数軸グラフ
※  ・ DVDシングル「Easy Breezy」売上推移&i_理論曲線の対数軸グラフ
※  ・ UtaDA1stアルバム「EXODUS」売上推移&i_理論値の表
※  ・ UtaDA1stアルバム「EXODUS」売上推移&i_理論曲線の実数軸グラフ
※  ・ UtaDA1stアルバム「EXODUS」売上推移&i_理論曲線の対数軸グラフ

※  ・ 最適次数&最適減衰係数を求める為のパラメタ・フィッティング
※  ・ 「EXODUS」の売上曲線を近似する4/5曲線:実数軸グラフ
※  ・ 「EXODUS」の売上曲線を近似する4/5曲線:対数軸グラフ
※  ・ 「EXODUS」の売上曲線を近似する1次曲線:対数軸グラフのみ
※  ・ 「EXODUS」の売上曲線を近似する1次曲線:対数軸グラフに局所近似直線を追加
※  ・ 12thシングル「COLORS」の対数軸グラフ
※  ・ i_公式

※  ・ すべてのデータをまとめたエクセル・ファイルはこちらです。




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