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2−05. シングル・コレクション


2004年3月31日(水)発売になったシングル・コレクションは、
オリコン初動枚数が140万3102枚(2004年4月12日付)、
現在までに累計で約254万4000枚を売り上げ、まだまだまだまだ売れ続けています。
山ちゃんランド・宇多田ヒカルアルバムの頁参照)

こちらが数値表です。減衰係数μの値はμ=0.109です。
こちらが実数軸グラフ、
こちらが対数軸グラフです。

これも初動枚数が莫大なので、終始対数軸グラフを見ながら話を進めましょう。
見てのとおり、
1週目(4/19)〜16週目(8/2)までは、4〜5週目(5/10,17)を除いて概ね理論と合っています。
そして、17週目(8/9)以降は、「DEEP RIVER」のときと同じ具合で2つの曲線は離れていますね。

私の記憶によると、この盤は初回出荷250万枚+初回バックオーダー10万枚ですから、
累計が254万枚余りであることから、「SAKURAドロップス/Letters」同様、
「非常に優秀な初回出荷枚数」だったということができます。
こういう場合、(つまり、市場の需要に見合った供給がちゃんと不足なく用意されていた場合)
i_理論曲線によく合う非常に滑らかな売上曲線が得られるのは、
「SAKURAドロップス」の対数軸グラフで見たとおりです。


さて、そう思って見てみると、
対数軸グラフにより顕著に見られる4〜5週目(5/10,17)の「でっぱり」は明らかに不自然ですよね。

これの原因として一番考えられるのは、
2004年4月21日(金)発売の13thシングル「誰かの願いが叶うころ」効果ですね。
オリコンで5月10日付集計分は、4月26日(月)〜5月2日(日)の売上枚数ですので、
恐らく、“誰かの願いが叶うころ”をその前の週に買った層が、
次の週(&更に次の週)にシングル・コレクションを購入した
んでしょうね。
そういったことも、i_理論曲線があるとよりわかりやすくなります。

17週目(8/9)以降のズレはどう見るべきでしょうか。
(冷静に考えると、16週目(約4ヵ月後)まで合ってる方が驚異なんですけどw)

これも、実は原因がはっきりしています。
2004年7月28日(水)にDVD「ヒカルの5」と
DVDシングル「誰かの願いが叶うころ」が発売になった
のです。
この集計分が反映されるのが、丁度8月9日付のオリコン・チャートというわけ。
今度は、新譜が発売になったその週にシングル・コレクションの売上に
影響が出ているのが興味深いですね。(^_^)


上記二つの分析を、もう一度まとめておきましょう。

シングル「誰かの願いが叶うころ」は、発売日がシングル・コレクションと近いため、
このシングルを買う際に同時にシングル・コレクションを買う層は案外少なく、
“同曲を聴いて気に入り、そのあとシングル・コレクションを買った”のではないかと推測できます。

次に、DVD2枚は、シングル・コレクションから4ヶ月後の発売であったこと、そして、
この2枚のDVDは売上の実数から推して、コアなファン向けの商品とみられることから、
DVDとシンコレを同時に買った層がいた、というよりは、
DVD発売に関連して、宇多田ヒカルの名前がメディアに多く登場したことから、
17週目に売上がi_理論曲線より多くなった、と考えられるわけです。

二つとも「i_理論曲線からのズレ」であることは変わりありませんが、
その内実を探ってみると、異なった理由で出来たズレであることが推測される、というのは、
これまた興味深いですね♪



続いては、その、さっきから話に出てきている13thシングル「誰かの願いが叶うころ」です。



※  このページに掲載されたリンク先一覧

※  ・ 山ちゃんランド・宇多田ヒカルアルバムの頁
※  ・ シングル・コレクション売上推移&i_理論値の表
※  ・ シングル・コレクション売上推移&i_理論曲線の実数軸グラフ
※  ・ シングル・コレクション売上推移&i_理論曲線の対数軸グラフ
※  ・ 11thシングル「SAKURAドロップス/Letters」売上推移&i_理論曲線の対数軸グラフ

※  ・ すべてのデータをまとめたエクセル・ファイルはこちらです。




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