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2−01. 10thシングル「光」


各論のまず最初は、2002年3月20日(水)発売になった10thシングル「光」です。
オリコン初動売上結果は2002年4月1日付で発表され、
その初動枚数は27万0370枚、現在までに約59万8000枚を売り上げています。
山ちゃんランド・宇多田ヒカルシングルの頁参照)

それ以降の売上推移はこの頁の真ん中の列、
「週別売上枚数」の欄に記載いたしました。
オリコン順位は今回の研究に直接は関係ないと思われるので省略しています。

さて、↑の売上推移のデータと、僕の公式による計算結果とを比較してみましょう。
その計算結果は↑と同じ頁の一番右の列の欄に記載しています。ご覧あれ。

・・・どうでしょう? ・・・・・・って、数字だけ見ててもピンときませんよね、僕もそうです。(笑)
ということで、エクセルを使って両者のデータを一枚のグラフにまとめてみました。
それがこちらのグラフです。縦軸が売上枚数、横軸が週単位での時間経過です。

藍色の曲線が実際の売上枚数、紫色の曲線が僕の公式から計算された週別枚数です。

(今更ながら、色逆にしておけばよかったなぁ、と後悔。(自分のを藍色にしとけばよかった、とあいしゃどうなだけにw)
 それに気がついた時点で既にグラフは殆ど書き終わってたので書き直す気にはなりませんでしたとさ(汗)。)



このグラフを見ての感想として、次のようなものが想定されます。

『まず、初動がピッタリ同じなのは当然。このi_公式は、(0週目の)初動枚数が与えられたとして、
 1週目以降の売上を与える、というものなので、初動枚数は実売数が入力されているのだからね。
 で、肝心の1週目(4/8)以降だが、順番にグラフの値を見ていくと、
 1〜3週目(4/8〜4/22)までは、随分とi_公式の数値の方が大きく、あまりよく合っていないといえる。
 しかし、4週目(4/29)以降はまぁ概ね合っているといえるのではないか。』


、、、という具合。これはひとつの見方ですね。

しかし、こういう、“10万枚単位の量が最終的に1000枚単位の量にまで大きく変化するような”グラフでは、
特に数値が小さくなったときに、公式による理論値実際の測定値(この場合各週の実際の売上枚数)が
どれくらい近いか遠いかを判定する為には、対数軸を使ったグラフの方がより有効なのです。
対数軸グラフを使うと、理論値と測定値の間の誤差を、
絶対値でなく「割合(パーセンテージ)」で見ることが容易になる、というのがその大きな理由です。

(たとえば、“理論値が100で測定値が90のとき”と“理論値が10で測定値が9のとき”では、
 前者の誤差の絶対値は10、一方で後者の誤差の絶対値は1になり、
 前者の誤差は後者の誤差の10倍、ということになってしまいます。
 しかし、これでは誤差の評価としてはやはり不適当。
 ですから、できれば、“真の値と誤差の大きさとの割合”で、それぞれの誤差を相対評価できればいいわけです。

 これが、対数軸グラフだと、前者と後者の両者とも、
 誤差の割合が同じ「10%」になるようにグラフが描かれてくれる、という利点があるんです。

 ・・・説明が下手ですいません。(汗) このカギカッコ内の緑字の文章はわからなくても大丈夫です。
 対数軸グラフを見たときに「縦方向の枚数目盛りが、一目盛りごとに10倍になってるなぁ。」ということに
 気づいていただきさえすれば、OKです。)


、、、ということで、
10thシングル「光」の売上推移曲線i_理論曲線を対数軸グラフで描写したのがこちらです。

これを見ると、実は1〜3週目(4/8〜4/22)よりも5〜7週目(5/6〜5/20)の方が、
藍色の曲線紫色の曲線はより大きく離れていますよね。
これはつまり、5〜7週目の方が「割合で見た誤差はより大きい」ということなんです。
こういう風に、対数軸グラフを使うと、全く逆の結論が得られるんですね。


で、です。実数軸グラフと対数軸グラフの両方を見た後だと、次のような感想が想定されます。

『なるほど、つまり、1〜3週目は実際より多めに、5〜7週目は実際より少なめに、
 10週目以降は、また実際より多めに、i_公式は計算結果を出してしまうのだな。
 でも、本来CDの売上枚数の推移なんて、i_公式による滑らかな曲線にのるようなものでもないだろう。
 しかし、i_公式は、大雑把には、全体の減少傾向を反映している、という程度はいえる。
 つまり、それくらいには有用だということかな。』


・・・僕も、次のページのグラフを見るまではそれくらいに考えていました。
まぁ、CDの売上というのは、デコボコとしながら段々に減っていく、という感じで、
そのデコボコを表現する為には、もっとややこしい数式にしないといけないだろうな、とね。

それでは、次のページ、「02. 11thシングル「SAKURAドロップス/Letters」」の頁にお進み下さい。



※  このページに掲載されたリンク先一覧

※  ・ 山ちゃんランド・宇多田ヒカルシングルの頁
※  ・ 10thシングル「光」売上推移&i_理論値の表
※  ・ 10thシングル「光」売上推移&i_理論曲線の実数軸グラフ
※  ・ 10thシングル「光」売上推移&i_理論曲線の対数軸グラフ
※  ・ i_公式

※  ・ すべてのデータをまとめたエクセル・ファイルはこちらです。



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