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 ◆ 「全米チャートの基礎知識」 (3) (「New Hikki's World BBS」:さとピーさん記) ◆

これは、04年8月24日〜27日に、宇多田ヒカルのファンサイト「New Hikki’s World」の掲示板に掲載された文章です。
ただし、今の時点で間違っていたり、新たに情報が分かったりという部分は、書き換えてあります。
また、「ビルボード」の最近の変化に対しても、説明を加えてあります。時間軸を多少混乱する人がいるかもしれませんが、ご了承下さい。
                                                                            (05年2月16日)

(3) アルバムチャート


続いて、アルバムチャートの話です。実は、アルバムチャートの歴史は、非常にシンプルであまり書く事がないのです。なぜなら、「ビルボ」のアルバムチャートは、昔は協力店の売り上げでポイント化し順位を決めていました。


そして60年代の前半までは、フランク・シナトラとか、ビング・クロスビーとか、ナット・キング・コールとか、アンディ・ウイリアムスとか、いわゆるスタンダード・ナンバーを歌う歌手のアルバムが全盛を極めていました。後は映画のサントラ盤とか、インストルメンタル物が売れていました。従って、チャートの動きは鈍く、1年間以上もランクされているアルバムは数知れずという状態でしたね。若者がシングルを買い、お金のある大人がアルバムを買う時代でした。それが若者も買いだして、アルバムの時代を築いたのは、やっぱりビートルズです。


特に「ラバーソウル」と「リボルバー」が、それまでの「アルバムはヒット曲集」という考え方を変え、アルバム1枚で一つの作品という「トータルアルバム」の素晴らしさを世界に広めました。これは、けっこう革命的な出来事でしたよ。これ以降、アルバムの売り上げは飛躍的に伸びて行きます。アルバムの「ロックの時代」の始まりですね。レッド・ツェッペリン、ピンク・フロイド、ムーディ・ブルースなどのロックアルバムがメガセールスを記録し始めます。


でも、いったい何万枚売れたのかはさっぱり分からないため、全米レコード協会の出荷枚数をあてにするしかなかったわけですが、91年12月の大改革で、「サウンドスキャン」の売り上げ数字でチャートの順位を発表するようになりました。「サウンドスキャン」はPOSシステムを導入しています。これによって、アルバムセールスのコンピュータ処理が可能となり、詳しい数字が分かるようになります。現在「サウンドスキャン」は、CDを扱うアメリカの小売店や量販店の9割を押さえていると言われています。従って「サウンドスキャン」の数字に1.1を掛けると、大体の実売数字が分かるんじゃないでしょうか。


ところで、03年のアメリカでのアルバムの売り上げ枚数は、「サウンドスキャン」によると6億3550万枚。日本ではアルバムが一番売れた98年で、1億1425万枚ですから、アメリカのアルバム市場がいかに凄い規模かがお分かりいただけるのではないでしょうか。それでも、前の年の02年に較べると、8.7パーセント減になっています。


さて、大規模市場のアメリカは、大ヒットアルバムの売り上げも半端じゃありません。昔と較べる為に、全米レコード協会の出荷枚数で述べるけど、1位がイーグルスの「GreatestHits」の2800万枚。2位がマイケル・ジャクソンの「Thriller」で2700万枚。3位がレッド・ツェッペリンの「W」で2200万枚。4位がフリート・ウッドマックの「Rumours」、AC/DCの「BackInBlack」、シャナイア・トゥウェインの「ComeOnOver」の1900万枚。


ついでに世界セールスの「TOP5」も行っちゃえ(笑)!1位がマイケルの「Thriller」で5200万枚。2位がAC/DCの「BackInBlack」で4200万枚。3位がイーグルスの「GreatestHits」4100万枚。4位が「SaturdayNightFever」のサントラ盤で4000万枚。5位が「Bodyguard」のサントラ盤で3700万枚。


それではここ5年(99年〜今年)で世界で売れたアルバム「TOP5」はというと、1位がバック・ストリート・ボーイズの「Millennium」で3000万枚。2位が「Titanic」のサントラ盤で2900万枚。3位がビートルズの「1」で2700万枚。4位がサンタナの「Supernatural」で2500万枚。5位がブリトニー・スピアーズの「・・・BabyOneMoreTime 」で2400万枚。ちなみにヒカルの「FirstLove」のワールドセールスは1000万枚だから、世界は大変に広いわけです。


ヒカルの「EXODUS」がどれだけ売れるか分かりませんが(まだ聴いてないしね)、厳しい戦いを勝ち抜かないと、アメリカ市場を制覇できないのは当たり前の事なので、どれだけ頑張らないといけないか、今度は具体的な数字をもって述べていきたいと思います。まず、「サウンドスキャン」による03年1〜12月の、アメリカでのアルバム売り上げ「TOP10」です。


1.「GetRichOrDieTryin’」50セント  653万5809枚
2.「ComeAwayWithMe」ノラ・ジョーンズ  513万7468枚
3.「Meteora」リンキン・パーク  347万8361枚
4.「Fallen」エヴァネッセンス  336万4738枚
5.「Speakerboxx/TheLoveBelow」アウトキャスト 308万9849枚
6.「DangerouslyInLove」ビヨンセ  252万7485枚
7.「ChocolateFactory」R・ケリー  243万9536枚
8.「Metamorphosis」ヒラリー・ダフ  240万5544枚
9.「Shock'nY'All」トビー・キース  232万4437枚
10.「ARushOfBloodToTheHead」コールドプレイ  218万3997枚


次に去年から今年にかけての、アルバムの初動「TOP5」です。
1.「Confessions」アッシャー  110万枚
2.「FeelsLikeHome」ノラ・ジョーンズ  102万枚
3.「GetRichOrDieTryin'」50セント  87万2千枚
4.「Meteora」リンキン・パーク  81万枚
5.「TheDiaryOfAliciaKeys」アリシア・キーズ  61万8千枚

尚、ブリトニー・スピアーズの「InTheZone」は60万9千枚で6位でした。これを見ても分かるように、アルバムの売り上げで他国を圧するアメリカですが、こと初動に関しては、日本の数字が上かな。アメリカでの最高初動は、イン・シンクの「NoStringsAttached」の242万枚です。ロックではリンプ・ビズキットの105万5千枚が最高初動です。だから実はヒカルの「Distance」の300万枚は、初動の世界記録として、燦然として輝いている記録なんですよ。これは誇りを持ってイイと思うな。そんな最高記録ホルダーがアメリカ市場に挑戦するわけですから、アメリカの音楽関係者は、みな注目しているはずです(笑)。


ちなみに今年最高のデビューを飾った新人アーティストは、19歳のアシュリー・シンプソンです。アルバムが8月1日付の「ビルボ」では初登場第1位。今年の新人最高初動で39万8千枚。累計3週1位を確保して、現在まで(9月4日付「ビルボ」)に既に138万1千枚を売って大ブレークしてます。ルックスの良さとジェシカ・シンプソンの妹という毛並みの良さや知名度を活かして、第2のアヴリルになると言われています。


さてアメリカでは週に大体20〜30万枚売れれば、充分1位が狙えます(超大物とぶつかれば別ですが)。7〜10万枚ぐらいで「TOP10」に入れるかどうかという所かな。最後に、近年の女性アーティストのデビュー盤の初動を記しておきましょう。アシュリーは既に述べたので、後はアシャンティ「Ashanti」50万枚。ビヨンセの「DangerouslyInLove」32万枚。ケリー・クラークソン「Thankful」30万枚。クリスティーナ・アギレラ「ChristinaAguilera」25万枚。ヒラリー・ダフの「Metamorphosis」20万枚。シャキーラ「LaundryService」20万枚。ブリトニー・スピアーズ「…BabyOneMoreTime」12万枚。ジェニファー・ロペス「OnThe6」11万枚。バネッサ・カールトン「BeNotNobody」10万枚。ジョジョ「JoJo」9万枚。アヴリル・ラヴィーン「LetGo」6万枚。以上はいずれも「TOP10」内に初登場して、大ブレークに繋げました。でも、心配する事はありません。ジワジワ型の人もいます。ミシェル・ブランチやネリー・ファータドなどがそうですが、一番の代表は、ノラ・ジョーンズです。デビュー盤の「ComeAwayWithMe」は数千枚からのスタートでした。そして発売26週目にして「TOP10」入り。1位に上り詰めたのは、発売46週目です。たとえスタートが悪くとも、あせらず、じっくりね(笑)。

全米チャートの基礎知識 (4) 「ビルボに登場した日本人アーティスト」へ続く